日時: January 24-25, 2001
(日本出発:2001/1/23
日本帰国:2001/1/28)
場所: 米国マイクロソフト本社レドモンドキャンパス コンファレンスセンター
Microsoft Conference Center
Microsoft Corporate Campus, Redmond, WA, USA
株式会社 フィラー
代表取締役 吉田 皓一 様
同行スタッフ:
マイクロソフト株式会社 大阪営業所長 川原 俊哉
マイクロソフト株式会社 システムズエンジニアリング本部 吉武 康文
Microsoft HQ Staff:
Microsoft SAP BUSINESS DEVELOMENT MANAGER Claus
Jul Christiansen
Overview:
本SAP-Microsoft Congress
は、マイクロソフトプラットフォームにおける mySAP.com への最新戦略、実現フレームワークをお伝えするコンファレンスストとして開催され、SAP 社、マイクロソフトの共同にて、企画、運営が行われました。開催テーマは、「The New Era
Begins…new solutions for the “New” New Economy」です。今回のコンファレンスは特に、既にSAP をご導入のユーザー、今後さらに SAP クライントの展開をお考えの企業に対し、今後の投資価値を最大限高めるためのSAP社、マイクロソフトの取り組みを、経営意思決定、ビジネス意思決定に関るエグゼクティブの皆様にご紹介するものです。このコンファレンスには、USA
各地をはじめ、世界中から400名以上の方々の出席がありました。各日の冒頭、SAP 社、マイクロソフトの Vice President、製品、サービス担当責任者から Keynote
セッションが行われ、SAP社/マイクロソフトのパートナーシップの状況、マイクロソフトプラットフォームにおける Windowsパフォーマンス、拡張性、冗長性、管理性、相互運用性、SAP
実績について説明がなされました。またその実現フレームワークについてもデモを交え、紹介がありました。 Keynote セッションに引き続き、4つのサブトラック
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Business Value
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Technical Integration
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Customer Successes and Best Practices
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Partner Complementary Solutions
に分かれ、さらに詳細な個別セッションが開催されました。
また、パートナー企業15社によるパートナーパビリオンも併設され、マイクソフトプラットフォームにおける SAP 環境をさらに充実させるソリューションについて説明を得る機会がございました。
SAP 社とマイクロソフトがアライアンスを結び、新しい
Windows プラットフォーム(Windows2000, SQL server 2000)にて提供可能な新しい、製品、サービス、ISV ソリューションを、マイクロソフト キャンパスにおいて、それぞれの担当者とダイレクトにコミュニケーションが行え、ご理解を深めました。
Key Point:
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SAP社-マイクロソフトの強力なパートナーシップ関係
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マイクロソフトプラットフォーム(Windows 2000, SQL
Server 2000)は、mySAP.com を稼動させるために必要な要件をすでに十分満たしている。(信頼性、拡張性、冗長性、管理性、相互運用性)
n
SAP 社とマイクロソフトのテクノロジーを密接に連係させることにより、利用効果を最大化する。
Ø
Desktop (digital dashboards,ポータル、XML)
Ø
Pervasive Computing
Ø
Knowledge Worker (Office, XML)
Ø
Commerce
Ø
Data Warehousing
Ø
BizTalk(XML) , Etc.
Key Note:
Day 1: SAP and Microsoft – A new era of
e-business agility begins
Speaker: Bob Herbold, COO,
Microsoft and Mike Campbell, SVP, Solutions, SAP America
マイクロソフト ワールドワイドオペレーティンググループ担当 エグゼクティブ バイスプレジデント 最高執行責任者 ボブ
ハーボルド(Bob Herbold)より、今後の新しいビジネス革新へのマイクロソフトのビジョンついて説明が行われました。
http://www.microsoft.com/JAPAN/presspass/EXEC/Bob%20.htm
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SAP, マイクロソフトは、1993 年にパートナー関係を結んで以来、毎年最新技術を取り込んだ形での進化を遂げてきた。1999/10
には、mySAP.com パートナー、2000/2 には、Windows 2000 の出荷とほぼ同時に、SAP R/3の対応も行われている。さらに一番新しいところでは、モバイルソリューションとして PocketPC
への対応が行われている。
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Windows ベースの SAP R/3 システムは、既に 12,000 を超えている。これは、全SAP
R/3 インストレーションの44%にあたり、また1999 年度では、全インストレーションの61%となっている。
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Windows 2000 と、IA (Intel Architecture) の進歩により、SDベンチマークの値は、ここ数年
Windows ベースのものが飛躍的に伸びており(一年間に66%UP)、7500 SD User を記録している。 この値は近々、より大きな値が出てくることが予想される。これらが H/W
の比較的安価なプラットフォームで実現でき、コストパフォーマンスがもっともよいことは明らかである。
n
マイクロソフトにおいても、基幹システムとしてSAP R/3 を使用している。60ヶ国以上で、年間2兆円以上の売上がある会社の業務システムをレドモンドにある1つの SAP
R/3 インスタンスで実現している。使用している SAP R/3 モジュールは、FI, CO, AM, SD, MM, HR, Payroll, BI,
APO 。データは、すでに550GB あり毎週6GBづつ増加している。これらの開発期間は US/.Canada の北米導入までに7ヶ月、主要国への展開を11ヶ月で完了している。もちろんこれらはすべてマイクロソフトのインフラ、テクノロジーのみで実行されている。(すでに一台の VAX,
AS400, UNIXは存在しない。)
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全世界のユーザーは、R/3 の回りに存在するアプリケーションサーバーと、WEB
ベースでコミュニケーションを行う。社内購買システムのオーダー受付、業者発注、請求書発行のプロセスがすべてネットワーク上で行える仕組みである。これにより発注コストの大幅な削減と、時間短縮、ユーザーサービスの向上が行えた。
n
これらを支えているのが、マイクロソフトプラットフォームのベースとなる
Windows 2000, SQL Sere 2000 である。SQL Server 2000は、2000/8 に出荷開始となり、R/3 のDatabase として即刻利用可能となった。すでに多くのユーザーで利用されており、各種ベンチマークにおいても高いパフォーマンスを記録している。TPC-C
ベンチマークにおいては、Windows 2000は、全プラットフォーム中 1-5 位を独占しており、SQL Server 2000 は、その中で
1,3,4,5 位で利用されており、非常に高パフォーマンスであることが実証されている。また、IA Server, Windows プラットフォームであるためにコストパフォーマンスも他OS,
他DB を寄せ付けない値となっている。SUN/Oracle プラットフォームは、TPC-C ベンチマークでは、14位以降に現れてくる。
n
既に Windows2000 ベースでミッションクリティカル業務を稼動させている企業は多くある。たとえば、BtoC
EC サイトで有名な FreeMarkets.com は、Windows 2000 Datacenter Server で運用しており、稼働率は実に 99.999%
を記録している。その他、Nasdaq.com. CommerceOne.net, HotBot.com など多数企業で稼動している。
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SAP R/3 を稼動させるプラットフォームとなる Windows2000では、Windows2000
H/W メーカ(UNISYS, HP, COMPAQ)から、Windows 2000, SQL Server 2000 での高可用性を考慮、保証したプログラムも提供されている。
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R/3 実働ユーザーとして、化学業界 LYONDELL Chemical (http://www.microsoft.com/sql/productinfo/lyondell.htm)、Chevron
Canada, TUV 社などがあり、担当者からのビデオコメントが寄せられていた。
SAPアメリカ ソリューションマーケティング担当 シニアバイスプレジデント マイク キャンベル(Mike
Campbell)氏より、ビジネス革新、New エコノミーについてのビジネスビジョン説明が行われた。
n
コスト削減、ビジネスプロセスの統合を行う ERP モデルからさらに推し進めて、内外各社とのサプライチェーンを結ぶことによる効果、そして互いにビジネス進めることにより付加価値を創造、増大させるコラボレーション環境 E-community
を作っていかなければならない。
n
New エコノミーには、ビジネスプロセス、モデル、ソリューション、対象、コミュニティー、競合、機会などがあり、どれも見逃してはいけないものである。
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現在の企業システムを構成する各サブシステムは、一部が密接に連動しているか、もしくはまったく疎結合にしかデータを扱えないような構成になりがちである、mySAP.com では、これらをトータル的にあつかうソリューションを提供していく。
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SAP R/3 は、既に多くのインストレーション実績があり、順調に販売数が伸びている。
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Windows プラットフォームでは、30,000 以上のインスタンスが稼動しており、全SAP
インスタンスの48% を超えている。
n
MySAP.com では、コラボレーション、統合、人々の可能性を合わせた形でのValue 創造ができるようにする。これらのひとつの形として、モバイルワークスペースを提供しており、PocketPC
からワイヤレス接続で使用することが可能である。(デモで実演。)
再び、ボブハーボルドより、.Net(ドット ネット) の説明と、まとめが行われた。
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.Net は、マイクロソフトのビジョンでもある「優れたソフトウエアを通じて、いつでも、どこでも、どんなデバイスからもつかえ、人々の可能性を高めていく。」を、実現するための重要なコンセプトである。DOS
からWindows, Internet へとマイクロソフトがシフトした時以上の大きな変革をもたらす。
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これまでのコンピュータの操作性、開発に革新をもたらし、Internet,
Web のテクノロジーを利用して、ユーザーの操作環境を体験環境に変え、価値を生み出すための仕組みと、その仕組みを構築するフレームワークを提供する。
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.Net では、UDDI, SOAP, XML が、重要なキーテクノロジーであり、SAP でもこれらに対応していくことになっていく。
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BtoB 電子商取引では、世界中の商品情報について体系化し、それを見つけ出し、利用していく手立てが必要になる。これについては、UDDI
にて実装することが非常に有力である。
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また、異なるアーキテクチャーのサービスコンポーネント間でのサービス連係については、SOAP がその解決になる。XML メッセージを媒介にすることによりサービスリクエストを行うことにより、たとえば、COM+ からCORBA
のサービスを利用することが可能。
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今後の企業内、企業間のシステムを結ぶために非常に有効なるのがXML であり、重要な役をなす。
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各種デバイス、これまで説明のさまざまなマイクロソフトプラットフォームにおけるテクノロジーを組み合わせることにより、より多くの情報をより効率、戦略的にあつかえるようになる。そして新しい革新にチャンレンジすることにより価値向上を目指さなければならない。
.Net については、次のURLに日本語解説がございます。 http://www.microsoft.com/japan/net/
Day 2: Open The Door To The New Era With
SAP And Microsoft
Speaker: Norm Judah, Richard
McAniff (MS); Klaus Kreplin (SAP)
DAY1 のビジョン説明を受け、価値を高めるための具体的環境とは、どんなものかをデモを交えて紹介が行われた。
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DAY1 の最後でも説明がされた Web サービスのためのキーテクノロジーについてより詳しく説明がされた。コミュニケ-ションインフラとしての Internet, その上を
XML データフォーマットのメッセージが流れ、サービスの連係を SOAP が、行い、サービスの登録、検索、利用には、UDDI を用いる形になるであろう。
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UDDI は、既に多くの業界で検討が行われており、発表時点で30社以上、先月には140社を超えた企業が採用をしている。
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UDDI は、インターネット標準を基本にしており、プラット-フォーム、スキーマ、実装アルゴリズムを規定化している。
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また XML を使うことにより、XML をサポートする多様なアプリケーションが、それぞれにデータ、サービスを交換使用することが可能となる。
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SAP では、Enterprise Portal ソリューションを提供している。すでに International
Paper, Coca Cola, TriVirex, MLP 各社で企業ポータルとして利用している。
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企業ポータルの中において、真に重要なものはその中に表示されるコンテンツである。これらのコンテンツが、見る人にとって重要な情報だけを自動的に選択し、その人にあった形でパーソナライズされて表示されることが必要。ここには、もちろん役割、セキュリティー、仕事の種類なども反映されなければならない。
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また、コンテンツを充実させるための情報発信側の仕組みも必要となる。見る側からのフィードバックなどを絶えず受け、コンテンツの精度、鮮度を上げて行かなければならない。
n
SAP からは、mySAP Workplace のデモが実施された。Web ブラウザー(IE)
を使用して、個人の情報(メール、予定表)と、R/3 内に持つ部門コスト情報を、同じ画面に集約し、即座にその人にとって必要な情報を把握することができるインターフェースを提供している。タブを切り替えることにより、それ以外の財務データ、売り上げデータに即座に切り変わり、個別に専用のアプリケーションを起動する必要はない。また、ユーザーは、それぞれのデータがどのサーバーに存在するかなどをまったく気にする必要がない。
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企業ポータルには、個人の情報、グループの情報、イントラネットの情報、インターネットの情報、R/3 の様々なデータ、情報を高度に集約して表示させることが可能。これらは、すべてインターネットのオープンなテクノロジーで構成されており、XML
技術も組み込むことが可能。
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マイクロソフトから、Office,WEB, R/3 との統合デモが、実施された。
n
まず始めに、通常の業務で行われるビジネスプロセスを、R/3 ,
Office で統合するとどのようなものになるかをデモで説明が行われた。このデモは、デモシステムでなく、マイクロソフトの全社員が通常利用している社内購買システム(MS-Market)、経費精算システム(MS-Expense)
である。
Ø
R/3 HR に対して、SAP GUI を通じて新入社員レコードを登録することにより、Windows2000
Active Directory, Exchange メールボックスのユーザーID 作成を自動的に行う。このとき、その新入社員に割り振られる権限も同時に振られる。
Ø
社員がメールを開くと、そこにURL のハイパーリンクが含まれている。この URL
をクリックすると、DCOM コネクターを通じてSAP にアクセスするWEBページにジャンプする。このWEBページから業務に必要な文房具、PCなどを検索、購入手続きを行うことができる。(MS-Market)
Ø
経費精算を行うためにWEB 上で提供される精算用の Excel ファイルのテンプレートをダウンロードし、そこに必要な項目を入力する。その Excel ファイルのデータをWEB
インターフェースを会して、R/3 の会計システムにアップロード、直接データのリンクを行う。(MS-Expense)
Ø
経費申請を承認する上長は、自分の Digital Dashboard ポータル上に、部下からの申告メールを受け取る。メール内の URL
をクリックすると部下の申請詳細内容を把握でき、同じページ上で承認、却下を処理することができる。(MS-Expense, Digital Dashboard)
n
続いて、新しいOffice のバージョンで実現する機能を利用することにより、これまで以上にバックエンドシステム(たとえば R/3)
と、リアルタイムにダイレクトにコミュニケーションが行える仕組みを構築する事が可能。それも多くは、Office が持つ標準機能で実現できる事になる。
Ø
新しい Office の機能
²
Spreadsheet XML
²
Web parts
²
Digital Dashboard Framework
²
Smart Tags
Ø
先ほどの Ms-Expense を、新しいバージョンの Excel で作成し、このシート上に経費データを入力する。すると項目の内容に従いダイナミックに項目チェックが行われ、入力内容の変更要求を施される会議費の金額が、$50
を超えてれば接待費の勘定科目に変更したり、目的項目に入力された内容によって勘定科目を自動仕分けしたりする機能を盛り込める。(Smart Tags)
Ø
入力されたデータは、XML フォーマットのデータとして、ダイレクトに R/3
システムの入力データとして引き渡すことができる。(Spreadsheet XML)
Ø
Excel 機能が、Web Parts 化されており、Digital Dashboard の中でこれらの機能を利用することが可能。Digital
Dashboard 内のコンテンツは、非常に簡単に追加したり、レイアウトを変更することが可能。(Digital Dashboard Framework http://www.microsoft.com/japan/business/digitaldashboard/default.asp , Sharepoint Portal Server http://www.asia.microsoft.com/japan/Sharepoint/ )
n
新しい Office により、Digital Dashboard, Web
Parts, データは、より緊密な連携を実現することが可能。
n
Office が、ビジネス統合、分析、レポートのためのツールの基本プラットフォームとなる。
以上